子育てノート

子育てに役立つことをまとめました。

待機児童ゼロはウソ?「真の待機児童数」を知る方法!

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最近「待機児童ゼロは、実はゼロではない」という話をききます。その「からくり」の仕組みと「真の待機児童数」「隠れ待機児童数」がわかる詳しい資料を紹介します。

なぜ「待機児童ゼロ」なのに、待ってる人がたくさんいるの?

「待機児童ゼロのはずなのに、待ってる人がたくさんいる」理由は「待機児童」の定義によります。

一般的な感覚でいえば「保育園に申し込んだけど入れなかった人数」、つまり「保育園の申込者数 ー 実際の利用者数」 が待機児童となりそうですが、実はそうではありません。自治体の集計では、さらにそこから「待機児童からは除外する場合 / してもよい場合」の人数を含んでいない場合が多いのです。

待機児童からは除外する場合」とは「特定の保育園のみを希望」「求職活動を停止中」「自治体が独自補助する認可外施設を利用」している場合です(なおこれまでは「育休中の場合」も待機児童に含めませんでしたが、国は2017年3月に待機児童に含める方針に変更しています)。

例えば「家から遠すぎる場所は避けたい」「兄弟で同じ園に通いたい」などで特定の園を希望している場合や、「保育園の空きがないからやむなく一時的に預けている」「保育園に預けられることが決まるまで、仕事に就けない」という場合まで、待機児童ではないとされる可能性があります。

結果的に「実態としては待機児童なのに、待機児童の定義から除外されているから待機児童ではない」と言う「う〜ん...よく分からない!」統計データになっています。

カラクリは横浜市だけの問題じゃない!

少し前に横浜市の「隠れ待機児童」が話題になりました。横浜市の場合、待機児童の定義から除外されている人数を「保留児童」といて、その人数が3200人もいるという話(詳細な統計データはこちらに載っています)。

でも実は、横浜市だけの問題ではありません。

上述した「待機児童の定義」は、元々は国が方針を決めているもので、自治体はその国の方針に沿った扱いをしています。

今回はたまたま規模の大きい横浜市がクローズアップされただけで、実際はどの自治体でも同じ問題を抱えていることになります。

ただ横浜市の場合は「待機児童ゼロ!」をアピールしすぎたのかもしれませんが....

じゃあ、なんで「待機児童ゼロ」って言い続けるの?

ここまできて思うのは「待機児童のややこしい定義をしないで、実態に応じた数字を待機児童にできないのか?」ということです。

ここからは余談と推測になりますが、なぜ国はこのような待機児童の定義づけをしているのか、という点について。

まず、国は2001年から「待機児童ゼロ作戦(現在は新待機児童ゼロ作戦)」を展開していて、その集大成が2017〜2018年になります。国や自治体はある方針を決めた場合「それが実現できなかった」という結論はできるだけ避ける方向にあります。なので2018年の時点では限りなく「待機児童ゼロ」にしておく必要があるのかな、と思います。

市民感覚としては「現実的に "待機児童ゼロ" は無理があるから、"ゼロ"という数字にこだわらないで、実態に応じた数字をもっと表に出してそこからどうすれば良いかを地域地域で考える方が実際的なのでは?」とも思います。

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「真の待機児童数」は国のホームページに載っています!

「真の待機児童数を知りたい」という場合にに、全国すべての自治体の待機児童の統計データが載っているページがあります。

厚生労働省のプレスリリース「保育所等関連状況取りまとめ(平成28年4月1日)」の中にあるエクセルデータ「申込者の状況(平成28年4月1日)」をクリックすると、ずらり全国すべての自治体の待機児童数が載っています。「待機児童の定義から除外された人数(新の待機児童数)」もすべて載っています。

お住まいの自治体の状況や、引越・転居を考えている場合はすごく参考になるデータだと思います!ただ、数字だらけの表なので、ちょっと見方を記載します。

表の見方

エクセル表は北海道から沖縄まで全ての自治体のデータが載っています。「真の待機児童数」を確認するには、知りたい自治体の行の「後ろ5列」の合計すればOKです(K〜O列)

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「地方単独事業を利用している者」「育児休業中の者」「特定の保育園のみを希望している者」「求職活動を停止している者」「待機児童」の合計です。

横浜市の場合、下の表になります。

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ちなみに東京都はこんな感じ。

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※なおこの表は28年4月1日現在の統計です。29年4月1日時点のものは9月頃に発表されると思います。

表から見て感じたこと

ここからは感想になりますが、この表を見て驚いたのは、都市部と地方では待機児童数(真の待機児童数)が全く違うと言う点です。

東京・神奈川など首都圏では待機児童がかなりいるのに、地方では「待機児童って何でのことですか?」というくらい「真に待機児童が0」という自治体が多くて驚きました

もちろん首都圏でも都市部から離れると0の自治体もあるし、地方でも都市部は待機児童が多いという場合もありますが、総合的にみて地方には「本当にゼロ」の場合が多い結果となっています。

地方のある自治体は「まずは子育て中だけでも地方に移住してみませんか?」というアピールをしているところもあります。「首都圏や都市部の保育所・保育士を増やす」ことだけでなく、こんなふうに「子育て中は地方に移住」できるような制度もあれば、また違った視点で待機児童問題が解消できるのではと思います。

ただ一時的にでも地方に移住するとなると「仕事を辞めなければいけないのか」ともなりそうですが、企業によっては、子育てにより退職してもその後復職できる「カムバック制度」を採用する動きもあるので、全国的にこの動きが増えれば良いのではと思いました。